零とイチ

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転校して間もなく、僕はイジメにあった。 理由はそう、よくある、ヨソ者だから。 「まーたイジメられたのか」 「まあね」 「そんなのやりかえしてやればいいのに」 「そんなことしたって何の解決にもならないよ」 「お人好しだな、まあ、そういう生き方、嫌いじゃないけどな」 「そうだ、イチ、テレビに出ようよ」 「…」 「そしたら僕イジメられなくなるかもしれない。ねっ、そうしよう。喋る猫なんて珍しいから、きっと有名になれるよ」 「…」 イチは黙って出て行ってしまった。
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