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梅雨になりかけた日のことだった。
それから、三週間たってもイチは帰ってこなかった。
よーやく梅雨があけた日、イチが帰ってきた。
「イチー!」
「…」
「ごめん、僕が悪かったよ。もうテレビに出ようなんて言わないから、どこにも行かないで」
「あのさ、俺が喋れることは秘密にしてほしい、俺は今の生活に満足してるし、脅かされたくないんだ」
イチの瞳はどこか寂しそうだった。
「うん、分かった」
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