あなたを影から支えます。

友達だから。

あっくんほどではないけど、俺もそれなりに美味しい人生を歩んできた。

自分でいうのもなんだけど、顔には自信あるんだよね。
頭は悪いけど。

「次はねぇ、Ｃ組の田中さんにしようかなって思うんだ。」

「…勝手にしろ。」

いつもながら、冷たい反応だなぁ。なれてるからくじけないけどね。

「Ｄ組の奥田さんとＧ組の赤坂さんも気になるよね。どっちがいいかなぁ…」

「興味ない。そんなことより、授業だろ。」

「あっくん、本当に男の子？」

時々、本気で心配になるよね。
俺の心配を知ってか知らずか、あっくんは歩く速度を上げた。

「そういえば～」

「…何？」

俺は、前を歩くあっくんを見ながらさっきの続きを話す。

「あっくんのクラスの野々山さんも可愛いよね。」

「…あのなぁ」

野々山さんなら、あっくんと話してるの見たことあるし、紹介してもらえるかな～

そんな軽い気持ちで言ってみたんだよね。

「野々山は、ダメだ。」

「へ？」

「あいつを狙うのは、ダメ」

あっくんは真剣な顔で「友達だから。」っと付け足した。