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「君の処遇だが、回復したら別の施設で過ごす事になる。まだ心の整理が出来てないかもしれないが…これから先の事は、後から来る施設の職員の人に聞くといい。では、お大事に」
ジョンは事務的に伝えると、病室を後にする。ジョンと入れ違いに数人の人間が病室に入ってくる。四十代の男性と女性、それと病院の看護士の三人。
看護士の手には、結果検査を挟んだボードが。
「失礼。君が例の孤児院の子だね?私はアドルフ、そしてこちらがアグネス。これから君を預かる事になった施設の人間だ、よろしく。傷の方は大丈夫かね?」
「傷?火に巻かれて気を失っただけじゃ…?」
「ううん、貴方は気が狂った犯人に肩を撃たれたの。出血が酷くて生死を彷徨っていたのよ」
そういえば、さっき来たジョンも『怪我は~』と言っていた事を思い出す。
ふと右肩に痛みを感じ、肩に手を添える。
触った瞬間、包帯に包まれているのに気づく。
『まだ痛む?無理はしないでね。今は傷を早く治す事が先決よ…ね、ウィリアム君』
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