第一章 子供から青年へ

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そんな中、仲間の一人が不意に俺に尋ねる。 「そーいやさ、兄貴の名前は?名前聞いた事なかったからさ。俺はアルフレッド、アルでいいよ」 「へぇ…アルか、良い名前じゃないか。俺の名前か、俺は…そうだなぁ…(右肩の傷をチラリと見て)うん、バレット。俺の名前はバレットだ」 「バレット?バレットという事は弾丸かよ!?…というか、今さっき考えた?」 「バレたか。俺は、施設を出た時に名前も一緒に捨てた。だから…今日から新しく生まれ変わる意味も込めて、な」 「本当は名前がもの凄く長かったり、ダサいから考えただけだったりして…って、おい、マジ痛いって!冗談だってばー!」 「(アルフレッドの頭を拳でグリグリしながら)長くもないし、ダサくもねぇ!ただ、あの名前は…今の俺には重過ぎる名前なんだよ、あれは…な」 そういうと、下を俯いて何かを忘れようと頭を振った…。
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