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ドゴッ!
ガコン。
白昼の平穏な公園に、なんとも表現し難い音が響いた。
現場を見ていない人間には、まさか14歳の中学生の少女が、自動販売機に回し蹴りをしてジュースを出しているなどとは、夢にも思わないだろう。
白い襟シャツに、ベージュのニットベスト。
蹴った勢いで、グレーのプリーツスカートと肩までの髪が翻った。
少女が着ているのは、私立の御嬢様学校『常盤台中学校』の制服である。
「学園都市も名ばかりよねー。蹴りを入れればジュースが出てくるんだから」
少女が言って、自動販売機から無理矢理出したジュースを一口飲んだ。
「お姉様ったら、またそんなはしたない真似を!少しは常盤台中学のエースとしての自覚を持って下さいまし!」
鈴を鳴らすような声で言う、もう一人の少女。
蹴りを入れた少女と同じ学校の制服を着ており、赤いリボンで留めたツインテールがふわりと揺れた。
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