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公園に着くと、そこにはベンチに座りながら野良猫とじゃれるタケがいた。
『悪い。待ったか?』
『いや、別に。意外に早く来たからちょっとビックリした(笑)』
そう言うと、膝の上にいた野良猫は二人の空気を悟ったようにタケの膝から降りて何処かに行ってしまった。
俺はゆっくりとタケの隣に腰を下ろす。
『なぁ、隼人。今回の事さ…、怒ってる?』
『何が?』
『とぼけんなよ。竜を誘った事だよ』
『別に怒ってねぇよ』
『でも、嫌なんだろ?』
そう言い、嘘はつかせないとでもいうように俺の目を真っ直ぐ見てくる。
軽く怖いんだけど…?
『はぁ…。タケは何が言いたいわけ?』
俺はタケに逆に質問してみた。
『タケは俺になんて言わせたいわけ?
"あぁ、ムカついてる"とでも言わせたいのか?』
そう言い、軽く睨みつける。
すると、何故かタケがふと悲しい顔をした。
なんでお前がそんな顔すんだよ…
その悲しい顔のまま、タケが軽く微笑んだ。
『そう言って殴ってくれた方が良かったのかもな…』
俺に向けていた視線を空に向けながらポツリとタケが言葉を溢した。
『俺、お前と竜がまだ付き合って時に…、
竜に一回告白してんだ』
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