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タケの言葉が衝撃過ぎて何も反応することが出来なかった。
タケが…竜に、?
いつ…?
『いつ?って顔してんな(笑)
隼人が竜を喧嘩に巻き込みたくなくて一時期離れてただろ?
あの時だよ。お前ら喧嘩ばっかしに行ってたから、いつも二人で帰ってたし。
別にフラれてもいいからって思ってさ』
知らなかった。
何も知らなかった。
『俺はまだタケは竜の事が好きだとばかり…』
『まだ好きだよ、竜の事は』
思わず目を見開く。
『フラれてすっきりした部分もあった。でもやっぱずっと片思いしてたんだからすぐには諦めつかねぇじゃん?
だからお前と竜が別れた時は…、正直喜んでる自分もいたよ』
タケの突然の告白。
そりゃ、好きな奴が別れたって聞いたら誰でも喜ぶだろうけど…
『ならなんでお前、今…、まきちゃんと付き合ってんだよ?
もう一回竜に告ったら良かったんじゃねぇの?』
内心そんな事は思っていない。
もう一度告れなんて絶対にして欲しくないと思った。
『あはは(笑)もう一度告るなんて無理無理。あんなフラれ方したのに、もう一回なんて根性、俺にはないから』
そう言い、笑いながら遠くを見つめるタケ。
その姿が何故か少し大人びて見えた。
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