堕ちた泪の木漏れ日

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真っ直ぐに俺を見つめてくる堂山さん。 俺はそれから目を逸らした。 すると、隣に座っていた隼人が俺の手を強く握る。 それに驚き、隼人を見たが横顔からは怒っている表情しか分からなかった。 『あんた…、堂山さんだっけ?』 『あぁ、そうだが…』 今まで黙っていた隼人がゆっくりと話し出す。 俺の手をしっかりと握ったまま……。 『言いたい事は…、それだけか?』 『……………………』 『なら、俺達は車から降りる。だから止めるように運転手に言え』 『まだ、竜くんからの返事をもらっていない』 『そんな事聞かなくても分かんだろうが!』 隼人が堂山さんを鋭い眼差しで睨みながら叫ぶ。 『俺達の事を調べたんなら…、俺達の関係も知ってるんだろ』 『あぁ…、だから君も車に乗せた。竜くんと別れてもらおうと思って』 先程から淡々と話す堂山さんは、いつか見た仕事をしている時のようだと感じた。 損か得か、善か否か。 気持ちを一切仕事には挟まない彼なりのポーカーフェイス…。 隼人がぐっと歯を食いしばったのが分かった。 握られる手に力が入る。 『なら、簡単だ。竜は俺と別れる気はない。もちろん俺もだ。あんたの息子に…、竜を渡すつもりはない』 その言葉に胸が締め付けられそうだった。 多分、この状況から自然と出た言葉なのかもしれない。 考えるより先に出た言葉なのかもしれない。 でもそれが…、思ってくれている事が同じなのだと思えて胸が苦しくなった。 俺はそれを伝えるように握りしめられた手をゆっくりと握り返した……。
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