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彼は俺より純粋で………
きっと俺より傷付いていた…。
それを隠し続けていたのを何故俺は気付いてあげられなかったのだろう。
どうして、彼の傷を余計に深めてしまうような事をしてしまったのだろう………
゙ずっと傍にいるから……゙
そう信じて欲しいと願ったのは、紛れも無く俺なのに………
なのに俺は何も言わずに彼を苦しめ続けた。
すれ違い…?
言葉が足りなかった…?
そんなんじゃない。
俺達は…、あまりにも幼過ぎたんだ。
言葉は時として人を救う最も偉大なものだが、時として人を最も残酷に出来るものである。
それをあの頃に気付けたいたなら…………
お互いに…、まだ笑っていられたのかな……?
『また連絡するよ。それじゃあね。矢吹くん、竜くん…』
車のウィンドウがゆっくりと閉まっていく。
それを見つめながらゆっくりと頭を下げる。
去っていく車に涙が出そうになったのは何故だろう…?
あの頃に戻って彼に謝りたいと願ってしまうのは………
卑怯なことですか……?
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