ビター＆シュガー

堕ちた泪の木漏れ日

隼人の家の前で降ろしてもらってから………､俺達は無言で近くの公園のベンチに座っていた。

堂山さんから聞いた光一さんの状況は……､あまりにも信じられなかった。

メールや電話では、いつも通りに振る舞ってくれていただけ…？

貴方は俺と居ればいるほど壊れてしまっていったの…？

そう思うと、今までに感じた事がないほど苦しくて、涙が抑えきれなくて………

知らない内に俺は光一さんの事を思って泣いていた。

そんな俺の肩をゆっくりと抱き寄せて頭を優しく撫でてくれる隼人。

どう考えてもこの状況で泣くのはいけないはずなのに…､涙は溢れてくるばかり。

隼人の前で、光一の事を思って泣いてしまっている。

それは決して恋愛感情からとか、愛情からとかそんなんじゃない。

けれども､ここで泣いて傷付くのは隼人なのだと分かっているのに……

頭の中では、理解してるのに…！

『どうして涙は止まってくんねぇんだよ………』

俺は隼人の胸にしがみついて泣いた。

そんな俺を拒むことなく、優しく抱きしめながらﾞ大丈夫…。大丈夫だから…ﾞと優しく背中をさすり続けてくれた………。

誰かを想う気持ちに、ランクがある訳ではない。

その人その人に抱く想いは別のはずなのに、時にその想いが違う相手を傷付けてしまう。

分かっていても、どちらも大切で………

拒めない自分が情けないくらいに悔しかった………。

それでも、そんな俺を拒まずに受け入れてくれる君を…､もう失いたくないんだと思って俺はまた…

涙を流した………。