変わらぬモノと変わりゆく者

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゙もしもし…、って電話に出るところをみると竜じゃないよね…?゙ 『あぁ。竜は今風邪で、電話に出れない事になってるからな』 ゙その遠回しな言い方気になるね゙ 『気付いてるくせに質が悪いですよ…、堂山さん』 そう言い、少しだけ声を低くしたら向こうからはただクスリと笑う声しか聞こえてこない。 『なんか俺、変な事言いましたか?』 ゙いや、やっぱりなんとなく君が竜の傍にいるのが分かったよ゙ 『そりゃどーも…』 ゙褒めてるつもりだよ?けなし半分で゙ 『別にあなたに褒められて伸びる子じゃないんで』 ゙だろうね。そうじゃないと俺も困るじ 向こうは至って楽しそうに会話をしているが、こちらからしてみれば不快極まりない。 俺が電話に出ることも予測済みで、それでいて俺とのやり取りを存分に楽しもうとしている気がする。 ただ楽しむんじゃなくて、堕としていく快楽の方で……… ゙それはそうと、多分隣にでもいるんでしょ、竜゙ 『…………………』 部屋が静かなせいか携帯からの音声がしっかり竜の耳にまで届いている。 名前を呼ばれた時に、ふと右手を握りしめられた。 ゙矢吹くん、竜に伝えといて。クリスマスイブの18時に迎えに行くからっで 『本人の同意ですか、それ』 ゙本人の同意も何ももとから決まってた事だから゙ 『……………………』 ゙疑ってるなら竜のお父さんにでも聞いてみたら?まぁ君じゃ無理が 無理なんかじゃないと言い返せない自分に心底腹が立った。 何もかもお前じゃ無理なんだよと言われている気がして、竜に握り締められた手を強く握り返してしまった。 不安そうに見つめてくる竜を見て、落ち着きを取り戻そうと深呼吸をする。
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