変わらぬモノと変わりゆく者

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そして23日は静か過ぎるほどにあっという間に一日過ぎて、クリスマスイヴの今日になった。 朝から母さんはパーティーに行くのが楽しみで仕方ないのか、いつもより少しだけ慌ただしかった。俺はというと、緊張からか何からかは分からないが、静かな胸の疼きを感じていた。 今回のパーティーに行くために新調したらしい服を着て、光一さんからのメールを待つ。 最近、また光一さんと仲良くし出した俺に母さんと親父の機嫌は良く、あまり何事にも口出ししてこない。 それを良しと受け止める事も悪いと受け止める事も出来ない曖昧な関係にやはり溜め息が出る。 もしかしたら、今日でその関係に終止符をうつ事になりかねないなど両親は知るはずもない。 いや、知られたらまた何と言われて部屋に閉じ込められるか分からないが、今のこの不安定な自分の足場をずっと歩くよりはマシだ。 そんな事を考えていると、母さんが何故かもう玄関に向かっている。 光一さんからの連絡はまだない。 今日は何故か迎えに行くと昨日メールがあり、それは母さんも同じだと思っていた。 『竜、私は奥様に呼ばれたから先に行くわね』 『あぁ………』 そう言い、玄関から出て行く母さんを見送りながらリビングにあるソファに座り込む。 きっと母さんだけを先に呼んだのも光一さんか堂山さんが仕組んだ事だろう。 しかし、今回ある意味救いになったのが親父の存在だ。 今日は外せない仕事があり、パーティーには来ない。 さすがに光一さんに堂山さん、親父の三人に囲まれてしまえば俺一人じゃ太刀打ち出来ないと考えていた。 でも、それも想定内か……… 多分、親父の仕事は堂山さんが把握している。 二人は俺の親父が隼人を嫌っている事も知っているだろう。 だから敢えて親父の来ないこのパーティーに隼人を呼んだ。 でも、一体なんのために………?
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