祈りの愛に結末を

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~隼人~ 言い返す言葉が見つからない。 隣に座る竜を今すぐにでも抱きしめて安心させてやりたい。 ゙俺はお前を手放したりしねぇから゙ ゙あいつの言う事には耳を傾けるな゙ ゙俺だけ見てろ。周りは関係ねぇ゙ そう言ってやりたいのに、目の前に座る奴の目は…嘘をついてる目ではない。 それが無性に腹立たしくて、悔しくて、でも言い返す言葉も出て来なくてただ唇を噛み締める事しか出来ない。 カナダ…?なんだよ、それ。 そんな話、信じる訳ねぇだろ。 そう言ってやりたいのに、あまりにも現実味を帯びすぎているこの話に自分の無力さを改めて実感させられた気がした。 守りたいものは一つなのに、それすらも守れない。 離したくない手は今こうやって手の中にあるのに、もう片方の手は見えない鎖で彼に繋がれている気がした。 喧嘩で片付く話ならどんなに簡単だったんだろうか。 自分がただ弱いだけなら強くなればいいと思ったのに、戦う相手はあまりにもでかくて、言ってる事は正しくて……… ゙どうしていつもこうなるんだよ………゙ 二人でただいつもみたいに馬鹿やって、授業サボって、たまには昔の話をして、将来の話なんかもちょっとして、当たり前の時間をただまた当たり前だった頃のように過ごしたいと願っただけだったのに………
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