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『馬鹿かっ。こんな状況で、それを確認するなよ…っ』
『だよな。なんか本当にまだ幸せを感じきれなくてさ……』
ずっとずっと同じ道を歩いてきたはずなのに、いつしか俺の前を歩くこいつの後ろ姿を見つめている自分が当たり前になっていて…
支えてるつもりだったのに、いつもこの背中に俺の分まで嫌な事を背負ってくれていた。
悲しい顔をさせたくないと思っていたのに、何度も辛い思いをさせて裏切った。
それでも、何度も゙大丈夫゙と言って笑った隼人は今も俺の目の前にいる。
なぁ、なんて伝えたらお前に伝わる?
どれだけ想い続けたら想いは届くんだよ…
知らなかったんじゃない。
気付かなかった訳じゃない。
でも…
怖かったんだ。
この気持ちをもう一度、声に出して伝える事が…
『す…きっ。好きなんだ…、隼人の事が……』
『竜…………』
『どうしようもねぇくらい好きなんだよっ!!』
見つめた先の顔にゆっくりと近付いて、触れるだけのキスをした。
多分、こんなに想いをぶつけるのは最初で最後だと思うから…………
『他は何もいらねぇから…、今は隼人を感じたい…。抱けよ、めちゃくちゃに。もうお前しか見えてないから……』
愛しい気持ちはずっとあったけれど、言えずにずっと隠してた。
本当はどれだけお前を想っていたか伝えたら、俺はきっとお前が俺を好きになるより前から好きだったに違いない。
『好きだよ、隼人…。今でもずっと………』
だからもう離したくない……
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