愛しさのすべて

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『お前っ、焦り過ぎっ…んっ』 『ごめん、俺が壊れちゃったかも』 そんな会話を初めの頃にしていたような気もするが、そんな会話を何回も交わしていられるほどの余裕は俺にはない。 後から思えば、マジで幼稚過ぎだろと思ったりもしたが、この時は本当に必死だったんだ。 すべてが綺麗で、竜の口から漏れる声は俺には媚薬のようで… もっともっと感じて欲しくて、もっともっと俺を求めて欲しくて、あまりにも綺麗過ぎる竜に魅とれながらも夢中で抱いた。 そして、もう何度目か分からない絶頂を二人で迎えてお互いに荒い呼吸を繰り返す。 竜の腕はもう力が入らないのか、ベッドのシーツを握り締めているのが精一杯のようで、俺の両腕も竜の顔を挟むように突っ張っていたが、今にも竜に倒れ込みそうなほど、もうあまり力が入っていなかった。 竜に視線を向けると、少し空中をさ迷っていた目線が俺の顔を認識すると、いつものように少し意地悪に笑ってみせた。 『お前…、出し過ぎ…だっ…つうの…』 『マジでごめん…。竜を抱いてるって思ったら興奮が止まんなくて…』 『前にも、何度も抱いてんだろ…』 『うん…。だけど、なんか今日は違うんだ。…俺の中では今日が初めて竜を抱いたんだって思えるくらいの気分なんだ。それくらい幸せで…、もうマジ今も繋がってんのが信じらんないから』 『んな生々しい事、言うな馬鹿が…。ってか、マジで壊れるかと思っ…たし……』 そう言って耳が赤くなった竜に優しく微笑み返す。 『マジで壊したいって思った。俺も壊れてもいいから竜を感じたいって思ってたし』 『単純なんだよ、お前は…』 『でも、一途なんだよ。俺は竜だけに』 『…、知ってるよ。んな事は昔から……』
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