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そう少し微笑みながら言われてしまうと、また愛しさが込み上げてきて……
もう腕に限界がきたようで、俺はゆっくりと竜に倒れ込んだ。
『それじゃあ竜も昔から俺の事、好きだったの…?』
『………………』
『なぁ、無視すんなって。答えてよ。じゃないともう1ラウンドいくよ…?』
『…っ、マジ有り得ね……』
『あんま焦らすと俺、怒るよ?』
『ぁんっ、馬鹿っ!、動っ…くな!!』
『竜ん中、気持ちいいからずっと一つになっててぇ…』
そう言いながら少し腰を揺らせば、また甘い甘い美声が洩れた。
『りゅ~う…、早く言ってよ。俺の事、いつから好きだったの?』
『んな、事…覚えてね…ぇ』
『ホントにホント?』
『気付いたらっ…、すきに…なってたんだ、よっ!!』
息も絶え絶えに必死に言葉を紡いだ竜。
だが、言われた言葉があまりにも衝撃過ぎて動かそうとしていた腰が一瞬にして止まった。
『ばっ、大…きく、なん…なっ』
その声にはたと我に返ったが、もう胸から溢れ出しそうなこの愛しさに息が止まりそうだった。
『俺も……。俺も気付いた時にはもう竜に夢中だったよ…』
いつから好きとかは正直な話、本当に分からなくて気付いた時には傍にいたかった。
一番に笑い合いたくて、一番に守りたくてそんな日々を繰り返すうちに竜しか目に入らなかった。
だけど、それは俺の一方的な愛情表現なだけで、竜は同じなはずがないと何故か高を括っていた。
でも、それでもいつからかお互いがお互いを想い合っていて、気がつけばお互い両想いだったんだと今そう改めて感じた。
『俺達…、すげぇな。こんなに愛し合ってたなんて』
『恥ずかしい事、言うな馬鹿が』
『だってそうだろ?何回も離れては、何度でもまた求め合って…。もう竜なしじゃ生きれない生活にいつの間にかなってたんだから』
『…、大袈裟なんだよ。お前は』
『なら、竜も俺なしじゃ生きていけない身体にしてあげようか(笑)?』
そう少し意地悪に言ってみたのに、竜からは涼しげな言葉が返ってきた。
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