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涙なんて出ない。言葉すら、忘れかけていた…。
・・・・・・
異様に明るい光りを感じ、ゆっくり目を開けた。
久しぶりの光だ。私はゆっくり身体を起こした。
男はいない。
きっと仕事に出かけたのだろう。
私は光源に目をやると、部屋の扉がわずかに開いていたのだ。
しかし、次の瞬間私は背筋が凍った。
その扉から誰かが私の方を見ていたのだ。
とても驚いたような顔で…。
私と目があったその者は扉を全開にし、そのまま姿をくらませてしまった。
どうして扉を全開にしたのだろうか?
私を逃がすためなのだろうか?
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