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「ちょっと全然タクシーこないじゃない。どうなってるの!」
美歩は焦っていた。
「あ~もう遅刻や!」
美歩は、携帯を取りだし、慣れた手つきで、一人の女性に電話をかけた。
「もしもし、宮野ですけど。すいません、電車が止まってて・・タクシーも全然来なくて・・遅刻します、すみません」
「・・・はい、わかりました。失礼します」
「・・・はぁ」
美歩は、憂鬱だった。
美歩は、もともと朝起きるのが苦手だったので遅刻を繰り返していた。
電話をかけた女性上司は、たぶん美歩の話は嘘だと思ったらしく今日は来なくて良いと伝えたのだ。
美歩は、タクシーに乗る必要がなくなった。
ゆっくり駅の横のカフェに向かって歩き始めた。
「いらっしゃいませ!」
普段のこの時間であれば空いているはずだが、今日は会社員や学生でいっぱいだった。
店員も忙しくしている。
美歩は、通りが見える窓側に座った。
「ご注文お伺いいたします」
「コーヒーとサンドイッチください」
「かしこまりました」
「・・・はぁ」
美歩は、ゆっくりと大きなため息をついた。
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