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霧谷と美歩は、同じタイミングでため息をついた。
「はぁ・・」
外の雨の音は、ざわついてる店内にも響くほど、激しく降っていた。
霧谷は、左腕にしているブランドものの時計をみた。
「あれから一時間以上もたったのか」
時計の針は、十時を示していた。
「こりゃ待ってもムダやな。とりあえず帰って寝るか」
霧谷は雨が止むのを待つの止めて立ち上がった
隣の椅子に置いてあったカバンを持ち上げた。
横には、タクシー乗り場の女の荷物が置いてあった。
霧谷は、ジャケットをはおり、窓に映る自分の髪を少し直して歩き始めた。
タクシー乗り場の女は、霧谷の事は気づかないのか、携帯を眺めていた。
「ありがとうございました!」
店員の明るい声が店内に響く。
霧谷は、大雨の中をコンビニのビニール傘をさして歩き始めた。
窓には、タクシー乗り場の女が見えた。
「きれいな人や・・・」
霧谷は呟いた。
ビニール傘は、楽器かと思うくらいの強い雨音をたてていた。
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