【吸血鬼編】穢れぬ意思

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「う…~…」 ジリジリジリと目覚ましが朝を告げる 彼、地汐 徹(チシオトオル)は欠伸をしながらベッドから這い出た 寒い朝だった 布団を巻き付けていたいが早く学校の準備をしなくては やや早歩きで階段を降りる、洗面所で顔を洗い、とりあえず居間に入る 誰もいない 居間は淋しく、薄暗い 毎日こんな朝を迎えるが、慣れないものだ 両親はいない 死んだかどうかも分からない 既にいないものなら、悲しみなんてない 徹はトーストを作り、適当にバターを塗り、時計を見た ふ、と軽く笑う 時計…止まってるじゃん 何かの恋愛ゲームよろしく徹は玄関を飛び出て そこで鍵を閉める事を思い出して鍵を閉め また急いで走り出した
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