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ここは世界の中心『リュウシン王国』
その大陸の中に一際大きな建物がある
それこそがこの世界に一つだけしかないギルド『白の十字架』だ
その扉の前に紫のローブを羽織っている一人の人物が立っている
しかしローブのフードを目深に被り、そのうえピエロを模造したような仮面まで付けており、全く顔は見えない
見る人が見ればかなり怪しい人物だか、その人物が羽織っているローブが紫と言ってもかなり淡い色をしており、さながらラベンダーを思わせる綺麗な色をしている為か、不審な雰囲気を薄れさせている様に感じる
その人物は自分の姿形を気にした様子も無く、ギルド『白の十字架』に通じる扉を開ける
ギルド内は一階が酒場になっているようで、まだ昼間だというのに酒を飲んでいる人間が多く居る
その為、ガヤガヤとしておりかなり騒がしい
そんな喧騒を気にするでもなく、その人物はギルド内へと足を一歩踏み入れる
するとどうだろうか
隣に居る人物に話し掛けるのでさえ大声で話さなければいけない位、騒がしかった筈の酒場は一気に静まり返る
酒場に居た人達全ての視線が、紫のローブを羽織った人物を捕らえている
その人物を見てコソコソ話し合っている者も居れば、尊敬の眼差しで見つめている者も居る
又は畏怖の表情で見ている者等様々だ
その人物はそんな全ての視線を全て無視して、酒場の奥へと歩いて行く
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