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「あぁ~。またやってしまった」
大きく息を漏らし、天井を見上げるツクモ。
ツクモ自身、母がただ嫌味を言うために、部屋に来たのではないと分かっていた。
息子に悲しみを乗り越えて欲しいと願う親心も、充分伝わっている。
だがムサシの事になると自分でも感情を抑えられなくなってしまう、そんな自分にもどかしさすら感じていた。
弟は、きっと生きてる。
双子の不思議な感覚かもしれないが死んでしまったとはとても思えない。
ただ何か危険な状態であるような胸騒ぎとともに……。
生きてる限り自分が必ず助け出す。
どんな状況にいようとも、その為に己を鍛え強さを磨いて来たのだから。
……そんな決意を胸に、いつの間にか眠りに落ちていた。
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