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「ケケケケ……」
日の光の届かない夜のような暗闇の中、高らかと笑う老人が1人。
「第2のラグナロクまであとわずかじゃ。ケケケケ」
老人は、腰が直角に曲がり、右手に握った杖で、その体を支えている。
老人が喋り終えると、乱暴にドアが開く、それに合わせて老人が振り返る。
「あ~退屈だぜ」
「も~暇すぎぃ~」
黒と白のローブの2人組が、部屋に入って来た。
黒が男、白が女だろうか?部屋が暗いためその判別はつかない。
「なんじゃ?騒々しい。あと少しじゃ。じっとしておれんのか」
老人は、呆れた様子で2人組を見つめる。
「こんな湿気た城にこもりっきりじゃ気も滅入るぜ」
黒ローブが口を開く。
「全く誰のおかげで身を隠せていられると思っておる?」
「頼んだ覚えはねぇ。」
同時に黒ローブが、壁を殴りつける。激しい音と振動が、部屋を駆ける。
「ケケケケ。しょうがない奴じゃのお。では1つ仕事をやろうかの」
老人は、黒ローブに近づき耳打ちする。黒ローブの口元が緩んだ。
「まかせとけ」
黒ローブは、言い終わると指を鳴らし、部屋を出て行く。
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