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世依路と出会ったのは高校の入学式の日 朝、教室に入った途端、惹き付けられる とにかく、目立っていた あれだけの容姿だから仕方ない。 直ぐに間違いだと分かったが最初は女の子かと思った 俺の心に淡い思いが芽生える 初めて声を掛けた時、少し驚いた様子を見せたが世依路の友人というポジションを手にすることが出来た。 世依路の傍で屈託のない笑顔やまるで音楽を奏でているように聞こえる声(普通に喋っているだけだが、俺にはそう聞こえるんだから仕方ないだろ)を見詰め聞いているだけで幸せだった 2年生になりクラスが違うと分かったその夜、俺は泣いた 情けない‥‥‥ 世依路はバイトをしているからと言って放課後につるんで遊ぶことがなかった バイトが休みだという日、強引に遊びに連れ出した ゲーセンで他の友人達と合流してカラオケに行った 内心は世依路と2人きりで遊びたかったが邪険にしてもついてくる奴等に怒りすら覚えた
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