序章 きっかけと決意の空

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「ねぇ!!もうすぐ体育祭だね!!!!」 一人が立ち止まって職員室の前の予定表を指した。夏貴は見ると言うわけではなく、そういうばそうだな、と天井を見上げた。蛍光灯にはまだ光が入っていなく夕方の赤が天井を赤く染めていた。 体育祭が楽しみだと友達2人に話す女の子とは夏貴は話したことが挨拶や相槌くらいしなかった。内気なのかとも思ったが仲が良くならないと自分を出せないタイプの子なんだなぁと何となく考える。 この学校の体育祭は夏休み開けに行われ、夏休み中は準備や練習になる。球技の部、グランドの部に分かれており2日間で行わる。紅、白、青、黒の4チームはクラスが4組ある事から組まれる。同じ学年がクジを引きクラス毎に色を決める。進路問題が関わってくるにも関わらず毎年3年が一番盛り上がる為3年が中心で行われる。優勝したチームには食堂の食券が他競技も1位のチームには様々な景品がかけられる。 運動が得意で祭り好きな夏貴も毎年楽しみにしている行事だった。 明日には役員決めがあるんだった、夏貴は思ったが役員にならなくても勝手に中心混ざるつもりだった事から深くは考えなかった。 「でもさ…」 「何?」 さっきの子より更に内気そうな子が沈んだ声で話し出したのに夏貴は何となく顔を上げた。 「毎年、運動部とか運動得意な人とか生徒会とかがメインじゃない。」 「……まあ、そうだね。」 「私達、運動得意じゃないし…去年とかもお荷物みたいであんまり出れなかったじゃん。」 「んー…確かに。」 「練習とかも苦手だし私あんまり楽しみじゃない。」 「まぁ、ね。」 「結局、運動部だった人が団長になっちゃうからね。運動部だけで盛り上がっちゃうのかもね。」 「でも、文化部の子が団長なんてしないと思うよ。」 「結局みんな賞品欲しいからね。運動部に任せちゃうしね。」 「団長によって変わるって事でもなさそうだよね。」 「んー…どうなんだろうね。なんか優勝出来て賞品貰えるのは嬉しいんだけど結果参加してないような物だから感動とかないんだよね。」 「運動部的な感動してみたい気もするよね。」 「ま、無理でしょ。」 会話しながら3人は昇降口に向かって行った。
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