春風孤児院

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  由貴姉は分かっているんだ。 あんな小さい頃にしたお婿さん宣言に、絶対的な力なんて無いってことくらい。 でもそれを認めてしまったら……って考えたくないのだろう。 自惚れというか、確実に由貴姉は俺に家族ではなく異性として好意を持ってくれている。 自慢すんな馬鹿野郎とか言われても、反論出来ないが……事実、由貴姉のアプローチは年々悪化というか進化してる。 俺が後1年で結婚出来るからなのか、最近は特に凄い。 外堀をドンドン埋めて行くかの如く、俺の逃げ道を塞ぎ、着実に既成事実を作ろうとしている。 そんなのを毎日されてたら、嫌でも分かる。 と言うより、未だに俺のお嫁さんになりたいなんて言ってる人が好意を持ってない訳がない。 「今日の晩御飯は何にしよっか?」 既に隣でニコニコしてる由貴姉は奥さん気分みたいだし。 好意を持ってくれることは素直に嬉しいんだが……由貴姉は俺からすれば家族。 血は繋がって無くても家族は家族。
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