リチャード

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「実はいい“後ろ盾”が出来てな…近々、ウォール街の銀行から金をいただこうと思って手下を集めてる。 うまくやれば1回あたり1万ドルの分け前だ。 どうだ、やらないか?」 強盗の誘い。 ただのスリだったリチャードには荷が重いと本人も思っていたのだが、リチャードの役回りは簡単な見張り役。 うますぎる話だとは思った。 だが、その時金に困っていたリチャードにとって、1万ドルは背中を押すのに充分すぎる金額だった。 最初のうちは不安だったものの、ライネルの言っていた“後ろ盾”のおかげなのか警察に捕まることもなく、 何度も逃げ仰せることに成功していくうちに…気づけば積極的に協力している自分がいた。 だが…それも4度目の襲撃までのことだった。
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