五章

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夏休みも開けて、登校日。 朝一番で輝君のとこ行って 謝ろう。 あんな断り方するとか最低だなあたし… 『あっ!輝君!』 輝君は一度こっちを振り向いたけど、また歩き始めた。 (嘘…なんで…?) 『待って輝君!なんで無視する の?あたしなんかした?』 『大切な用ってなんだったの? お兄さんとの買い物。  俺より大事だったわけ?先に 約束してた奴を断ってまで』 見られてた 嘘…嘘でしょ… 『違くてッ!具合が悪かったの  少しよくなってから仕方ない  から、夕飯買いに行ったの』 『言い訳なんかいらないっす』 一言言うと、また輝君は歩き 始めた。 待ってって言いたかった。 でも… 止めどなく流れる涙のせいで、言葉が上手く言えなかったの 『ウッ…ひかッる君…ウッ待っ…』 私は誰が好きなのだろう。 好きじゃないなら嫌われた位で泣かない。 でも、でも…私は泣いた。 これは換えられない確かな事実 授業なんか耳に入らない それどころじゃない こんな計算なんて将来使うことなんてない=必要ない 輝君は大切な友達。それはー…これからもずっと変わらないし必要なの ずっとー…
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