六章

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『そうなんだ。』 それから他愛もない話をして いると、いきなり灰音ちゃんが深刻な顔をした。 『どうしたの?悩み事ある?』 『静羅ちゃんは…兄妹愛って、 どう思う?』 『えっ…』 私は一瞬、自分の事を突かれたと思い戸惑ってしまった。 『なんで?』 少し、平然を装って冷たく 返してしまった。 『…あのね、真剣に聞いて…  私は海君が好き。  不器用だけど本当に優しくて 大切にしてくれるー…』 『美男美女ー…。私はいいと  思うけど、親とか世間の目は 許せないと思うよ。  だけど…本当に好きなら周り の目なんか気にせず、堂々と 好きと言えばいいと思う』 『あのね、あたしらは兄妹じゃ ないんだ。  義理の兄妹なんだよ』 『似てるのにね』 『親が再婚なんてしなきゃ…  堂々と好きって言えたのに』 『再婚しなきゃ出会ってないか もしれないじゃん?  運命だったのかもよ?』 …ー運命ー… 私と空兄が兄妹になることも 初めから決まっていたのかな? 兄妹として会っていなければ 好きになることもなかった のかな? すれ違ったりしても、トキメ かないのかな? 私が知りたいよー…。
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