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その行動で俺の不安は一気に最高潮まで達した。
外に出てリョウの元に向かいながらリョウのアニキに電話をかけてその後仲間から連絡があったか聞くと
「実は弟の携帯にメールが来たらしくてその内容が最近のチャックの行動に嫌気がさして飛んだらしい。俺も弟もまだ疑ってんだがとりあえず面倒なことにならないようにチャックにはそのまま伝えるつもりだ。」
今下手に動いたら警察沙汰になりかねない、それをわかってるリョウとアニキの考えは俺と一緒だった。
すぐにチャックに連絡したがすでにリョウから聞いてたらしく鵜呑みにしたチャックはひどく落ち込んでるみたいだった。
とりあえずアパートに戻ってチャックの話を聞いた。
「実は昔、薬やってる連中とつるんでて俺も少しかじった。
それから小遣い稼ぎで売買もやったんだ。」
うつろ気味に話始めたチャックはまるで抜け殻のように半透明に見えた。
「それで一回俺がしくじった時、俺の代わりに仲間が犠牲になった、変わりに務所送りになったんだ。そいつが出てきて俺に借りを返せって言ってきた。
でもその一件でビビっちまった俺は足を洗った、もう関係ねぇっつったら、じゃお前の大切なものこれから奪ってやるよって脅された」
それで?
「頭下げにいったらそんなんじゃ腹の足しにならねぇっつってもう一回薬で稼いで来いって言われた」
それでまさか?引き受けたのか?
「断ったら殺すって言われて。
そんなのビビらせるために言ってんだろうと思ったけど実際当時俺と組んで一緒にしくじった仲間が目の前で殺された。」
はぁ?どういうことだよ!!
「車のトランクから引きずり出されたスーツ姿の男、顔はボコボコに殴られて誰だかわかんなくなってたけど間違いなくやつだった。で目の前で殴り殺された。それ見て断れるわけねぇだろ!!」
この時、間違いなく、りんねは連れ去られたと確信した。
ある意味チャックがバカでよかったとこの時本気で思った。
チャックが真実を知ったら何をしでかすかわからない。
でもこうはしてられない、チャックに本気で感づかれる前に俺達で何とかしなきゃ。
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