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心臓がドキドキと高鳴る。
「住むとか、まだ会ったばっかりだし」
「……そう、だね」
声を潜めたタカヒロさんの吐息。なんだか胸が切ない。
「タカヒロさん、一つだけ、聞いてもいい?」
「何?」
優しく髪を撫でながら、タカヒロさんが促す。
「私のこと……好き?」
自分にとって何よりも大切な……確認。
小さく、タカヒロさんが息をつく。
「いきなり、こんな所に連れてきたり……真剣じゃないと思われても、しょうがないけど……」
少し言い訳みたいに前置きする。
「今日、初めて会った時から、ずっとあいちゃんだけ見てた。もっと話したくて、触りたくて……、こんな気持ち初めてで……、俺、あいちゃんが好きだ」
その言葉に、嬉しくて、きゅっとタカヒロさんに抱きついた。
この人が、好きだと言ってくれる。自分のことを好きだと、必要だと……。
自分が価値ある人間だと思えた。
「好き」
あいがそう呟くと、頷いたタカヒロさんが唇を奪って、ベッドへと押し倒した………。
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