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「フフッ…2人共すっかり寝入っちゃってる」
「ホントだ。このパターンだと朝まで爆睡コースだな」
後部座席で深い寝息を立てている子供達を、微笑ましく眺める。
「美優?マンションに着いたけど…なぁ?少しだけ部屋に寄って行ったらダメかな?」
「今日は…ごめんなさい」
まるで、幼子が母親に物をねだるかのような甘え口調で問う彼に、私はすかさず断りの言葉を返した。
「今日はゴメン…って、俺まだ一度も美優のマンションに入れて貰ったことないし。イイ加減拗ねるよ?」
「ゴメンってば。また今度ね!今日は楽しかったよ。じゃあ、私達帰るね。…その前に響(キョウ)を起こさなきゃ!」
「ちょっ…美優?待てって」
「ん………っ………」
息子を後部座席から降ろそうと、助手席のドアノブに手を掛けた私の腕は彼の大きな手の平に掴まれて…。
瞬く間に、無防備な唇を奪われた。
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