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それからしばらくして家の前にある
街灯の明かりが見えた時。
身体が道を覚えてくれていたおかげで、そんなに遅くならなかったことに安堵して息を吐いた。
そして呼吸を整え一息吐くと部屋で寝ているであろう母さんを起こさないよう、なおかつ抱えてきた牛乳を零さないようそっと扉を開けて中に入る。
「・・・・・・おかえり、ジョバンニ」
驚いて声がした方を向くと、ベッドの上に上半身を起こして僕の方に目を向けている母の姿があった。
「母さん、起きていたらダメじゃないか!」
慌てて彼女に駆け寄るとその肩に手を掛け横になるよう促す。
「ごめんよ・・・・・・お前が『牛乳をもらいに行ってくる!』って飛び出していってからずっと帰ってこないもんだから、心配になってねぇ」
そういうと彼女は案の定、咳をした。
「あぁ、言わんこっちゃない!さぁ、横になって・・・・・・。心配してくれていたんだね、ありがとう。遅くなってごめんなさい・・・・・・。取りに行ったら牛乳が切れてしまっていてさ、待っている間にお祭りを見ていたんだ。ほら、今日はケンタウルス祭だろう?夜店とかたくさん出ていていろいろ見ていたら、牛乳を取りに来ていたことをすっかり忘れちゃって」
「まぁ、ふふふ・・・・・・」
「それでね、母さん聞いてよ!今日は・・・・・・」
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