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天気輪の塔、再び
また走り出した。
暗闇の中、たまに躓きそうになりながらもただただひた走る。
誰もいない天気輪の塔に向かって。
土が見えるでこぼこ道を飛ぶように砂利道をつまづきつつ踏み越え、露に濡れて滑りやすい草の上を加速するように。
夏の夜は昼間に比べて幾分か楽とはいえ、空気だけは熱い。
その中をダガダガと走ると、どんどん息苦しくなっていく。
だけど・・・・・・そんなのぜんぜん気にならない。
カムパネルラはもっと苦しい思いをしていたはずだから。
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