42人が本棚に入れています
本棚に追加
『冷えてきたな……そろそろ部屋に戻りな。』
ロゼのその言葉にマキナは黙って立つと、宿屋の扉に手を掛けた。
そして小さく呟くように聞く。
『最後に、もう一つだけ教えて下さい。』
『なに?』
『ロゼさんは、今何をする為に生きてるんですか?』
ロゼはしばらく黙り、何かを決意したように言った。
『呪われた楔を断ち切る為だよ。
「自分自身を犠牲にし、他の者の代わりに多くの罪を背負う」事が俺の使命。
これは誰かに出来る事じゃなくて、俺自身にしか出来ない事……だから、この呪いの「元を断つ」為に今俺はここにいる。』
部屋にいたジュラはそれを聞いた後、静かに窓を閉め床に寝そべり毛布をかぶった。
最初のコメントを投稿しよう!