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マキナが洗面台に向かってから、はや1時間。
椅子に座りっぱなしだったロゼはこしを叩きながらテーブルに俯せになっていた。
その姿は見た感じ「外に干された布」の様になっている。
ガチャっと鍵の開く音と共に、鼻歌まじりに洗面台から髪の毛を濡れらし、着替えを終えたマキナが出てきた。
『おい……1時間も何やってんだ?』
ロゼは立ち上がるのも面倒になったのか、器用にテーブルを動かしマキナを見る。
そんなロゼをチラッと見たマキナは、タオルで髪を拭きながら澄ました顔をしている。
『何ってお風呂ですよ?』
『「お風呂ですよ」じゃねぇよ。ジュラ、何か言ってやってくれ。』
ジュラはロゼの声が聞こえているのかいないのか、フフンとフルーティーの入ったカップを口に運んだ。
「コイツ絶対聞こえてるよな」と心の中で言いつつ、くるっと顔を窓側に回し窓の外を見つめた。
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