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なんだかんだ言い合いをしながらも、朝食を済まし街を出た三人。
整備はされていない街道は商人達が何度も行き交う道でもあり、轍も出来ている。
そんな街道を、真ん中にマキナ、右にロゼ、左にジュラと横並びで歩いていた。
周りには影になるような物も無く、ただただ街道と野原が広がり、長遠くに生い茂った森と木の生えていない山が見える。
多少日差しがキツイがその山から吹き降りる風が体を涼しくしてくれる気がしていた。
何も起きない道中、マキナはしばしば見たことのない花があると言っては色とりどりの花に近寄り観察している。
『そうだロゼさん。』
ジュラが思い出したように声を掛けると「ん?」と足を止め顔を傾けた。
『これから先、先日の様な事(戦闘)が多くなりますし、何が起こるか解りませんので、マキナさんにも護身としてナイフ程度の扱いを学んでもらおうかと思うのですが。』
『えっ、ナイフですか?』
それを聞いていたマキナは何故か困惑した顔をしている。
ロゼはマキナの方を向き「その顔」を見て何かを悟った。
『まさか……果物の皮すら剥けないなんて言わないよな?』
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