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『あのー、宿屋ってこんなに必要なんでしょうか?』
泣いていたのが嘘だったかのように泣き止んでいるマキナが指差す先には、その街の通りにある全てに宿屋の看板がここぞとばかりに並んでいる。
『いやいや。間違いなく必要無いだろ。』
『さすが、第二首都と呼ばれるだけありますね。
一時的とはいえ、様々な物資が行き交う陸地最大の街。
それだけ多くの商人達が集まるって事ですね。』
感心したように頷くジュラ。
商人達だけではなく、勿論ヘルグワに住む者達もいる訳で、それらが行き交う人々だけで目が回りそうになる。
そんな中、ロゼの目が鋭くなった。
『って事はやっぱり「そっち向けに料金は高め」なんだろうな。』
それを聞いたマキナは「質問」とばかりに手を挙げた。
『ちなみにこの前の宿屋の値段って幾らだったんですか?』
マキナは首をかしげながらジュラに聞くと、
ジュラは声に出さずに指だけで数字を示していく。
『……!? そんなに!! じゃあそれより高いってなると……』
『……えぇ。破産しますね(笑)』
ジュラは何が楽しいのかニコッとしてハッハッハと笑いながら答えた。
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