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日が昇り始めてからそんなに経っていない時間。
商人達の中には既に荷積み作業を始めている姿がちらほら見られた。
今日も快晴。
誰よりも早く起きていたのは鳥達か。
「いってらっしゃい」と言われているような囀りが聞こえてくる。
そんな中、三人は宿屋を出て西門を目指す。
マキナは昨日見れなかった町並みに目を輝かせながらキョロキョロしている。
店を開けている所もあるが、大半はまだ準備中だろう。
そんな店にすら目を輝かせているマキナは、目を離すと直ぐに居なくなる子供のようだ。
『そういえば、マキナの目的は親捜しだろ。旅行じゃねぇぞ。』
『そうですね。でもまぁ始めて見るものばかりなら仕方ないと思います。
ロゼさんだって、西の大陸からこっちに来た時は「同じ」感じでしたよ?』
『一緒にするなよ。あんなに浮かれてなかっただろ?
ほら、マキナを見て……っていねぇし!!』
ロゼが辺りを見渡すがマキナの姿が無い。
『ジュラ、マキナがいねぇ……。』
『本当ですね、いませんねぇ。』
「まったく、困った人だ。ホホホ」と笑うジュラに、ロゼは悟りを開く。
『その冷静さは既に神の域だな。』
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