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ー ロゼ・ジュラ側 ー
『ジュラ、いたか?』
そう言いながらジュラに駆け寄るロゼ。
ジュラはそれに対して首を横に振った。
既に通りには、行商人達も本格的に仕事を始め、街に住む住人達も合わさりかなりの人数が外に出ている。
人が多くなってくれば動きにくくなるし、探しにくくなる。
そう思っていた時
『いえ。ただマキナさんらしき人物を見たという情報はありましたよ。』
『どこでだ!?』
『あちらの饅頭屋で。』
『饅頭屋……。』
『えぇ饅頭屋で。』
『…………何やってんだアイツ(怒)。』
呆れを通り越し怒に満ちているロゼに、ジュラは見なかった事にして更に情報の続きを付け加えるように話す。
『それより大事なのは……マキナさんは饅頭を袋一杯購入して行ったらしいですよ。』
『……その情報は要らないな(怒)』
ふと空を見上げると、さっきまで快晴だったのに雨雲が多くなっているのに気付く。
遠くの雲を見ると真っ黒だ。
『雨が降るまで、そう長くないか。』
そう言って、二人は急いで饅頭屋へ向かった。
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