42人が本棚に入れています
本棚に追加
ー マキナ側 ー
『あのぉ……本当に大通りはこっちなんですか?』
マキナは今、昼になるにはまだ早い時間。
日差しもあまり入ってこない、人通りも少なく、夏でもないのにジメジメっと感覚のある街の裏路地にいた。
周りにある家の壁やその周辺の地面には、苔が蔓延っており、カビの独特な嫌な臭いがする。
普通の人でも一瞬眉間にシワが寄る様なそんな嫌な空間。
『大丈夫だよ、ちゃんとギルドはあるから……。』
そう言う男達二人は、マキナに見えないようにニヤッと微笑んでいた。
ー ロゼ・ジュラ側 ー
ロゼとジュラの二人は饅頭屋に着く。
店主の話を聞く限り、大量の饅頭を買っていった人物はマキナである事に間違いなかった。
『話の特徴からしてマキナ本人だな。本題は、ここからで何処に行ったかだな。』
『そうですね。』
あっちかこっちかと話をしている時、饅頭を買いに来ていた老人がこちらをチラチラ見ている事は気付いていた。
そんな老人が声を掛けてきた。
『もしかして、アンタら、ロゼさんとジュラさんって名かい?』
振り向くとこちらをチラチラ見ていた小柄で白髪の老人が立っている。
『そうだけど、なんで俺達の名前を?』
『その赤い髪の毛と白髪混ざりの髪の毛の二人組。さっきここの饅頭を大量に抱えた可愛い女の子が聞いて回っていたからね。私も聞かれたんだよ。』
最初のコメントを投稿しよう!