Episode 3

28/38
前へ
/151ページ
次へ
村に居た時の「あの出来事」。 ロゼに助けられる前、男達に追われていた記憶。 何故か忘れていたその記憶がふと思い出され、身体の震えとなって現れる。 だが今は、その 助けてくれたロゼが側にいない。 口を押さえられ力ずくで連れてこられた、他に人の気配が無い密室の部屋に監禁された。 恐怖心で無意識に声が出なくなる。 次第にそれは震えに同調し、全身が強張り動かなくなる。 『恐怖で声も出ないか? そうだよねぇ……でも安心してよ。その恐怖は今すぐ快楽へ変わるから………ハァハァ。』 『(助けて……助けて、助けて……)』 ー ロゼ・ジュラ側 ー バシャ、バシャ。 雨足が強まり、通りには無数の水溜まりができ、 さっきまで多かった人通りも殆ど居なくなってしまっていた。 そんな事も気にせず、ロゼとジュラは走り回り辺りを見渡す。 『何か痕跡ねぇのか!!(こんな時に全く役に立たねぇな!!「この神の力」ってやつは!!』
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加