その手は裁く為にある

Episode 3

ー　マキナ側　ー

『(恐い……でも。)』

震えながらも、その思考は不思議と冷静になれていた。それは、何故か。
以前、マキナはロゼにこう言われた事があった。

ー　回想　ー
【これから先の事考えて、一つ覚えておくといい。
人って、恐いって感情を抱いた時に思考が止まり、それが原因で身体が動かなくなる時がある。
それは誰にでも起こる事で、勿論俺もジュラにも起こる。
だから極度に「恐怖を抱けば動かなくなる｣って事が最初から理解出来ていれば、恐怖を感じた場面でも不思議と冷静になれる。
そしてまず覚えておく事は、そんな恐怖でまず先に動かなくなるのは身体と口。
だが、そんな時でも冷静とか関係なく動かせる唯一の器官がある。それは「目」だよ。】

言われた事を思い出してゆっくり目だけで辺りを見渡す。

『(ロゼさん……動かせる！！)』

マキナは「中身が冷静だと」バレないように、武器になる物を探す。
そしてマキナは、ロゼからもう一つ教わった事があった。