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『で、でも私は動けましたよ?』
『それは多分「最初から」冷静だったんだろう。
マキナは以前、ムガで襲われてた事があるだろ?
それで一時的に記憶と重なり恐怖が芽生えた。
だけど、逆にそれがあったから冷静でいられた。
「その時に比べたら今は恐くない」ってね。
多分、無意識下で。』
そう言ったロゼは、ゆっくりマキナに近付いて頭にポンッと手を乗せた。
『まぁ何にせよ的確な判断。怪我もなく無事で何より……頑張ったなマキナ。』
そう微笑みながら頭に乗せられたロゼの手は、雨に打たれながらも探し回っていた事を物語っている程に冷たかった。
それに気付き、マキナの目からは自然と涙が溢れていた。
『ありがとう……。そしてごめんなさい。』
マキナは小さく呟いた。
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