Episode 3

36/38
前へ
/151ページ
次へ
しばらくするとジュラがギルドの人間を数人連れ戻って来た。 未だ気絶をしたままの男二人を引き渡し、数十分の聞き取りが行われた後、カビ臭い部屋の中にはロゼとジュラ、マキナの三人だけになった。 『我々、ビショビショですし、体を温めないといけませんね。服も乾かさないと。マキナさんも心身共に疲れたでしょう? 初仕事。』 『えっ?』 マキナが顔を上げると、ジュラはいつも以上にニコニコ顔なのに気づいた。 『さっきの惨めな二人組。窃盗や恐喝でギルドが賞金を掛けて手配していた人間でした。 上手く逃げられていたらしいですよ。 経緯はどうであれ、結果的にマキナさんは見事、ギルドの仕事を一つ片付けた事になりますから。』 そういうと、ジュラは左手を後ろに回し小さな袋をマキナと突き出した。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加