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しばらくするとジュラがギルドの人間を数人連れ戻って来た。
未だ気絶をしたままの男二人を引き渡し、数十分の聞き取りが行われた後、カビ臭い部屋の中にはロゼとジュラ、マキナの三人だけになった。
『我々、ビショビショですし、体を温めないといけませんね。服も乾かさないと。マキナさんも心身共に疲れたでしょう? 初仕事。』
『えっ?』
マキナが顔を上げると、ジュラはいつも以上にニコニコ顔なのに気づいた。
『さっきの惨めな二人組。窃盗や恐喝でギルドが賞金を掛けて手配していた人間でした。
上手く逃げられていたらしいですよ。
経緯はどうであれ、結果的にマキナさんは見事、ギルドの仕事を一つ片付けた事になりますから。』
そういうと、ジュラは左手を後ろに回し小さな袋をマキナと突き出した。
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