Episode 4

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『あのー、サグリアスという街ってまだまだ遠いんですか?』 ヘルグワを出てから、途中で行商人の馬車に乗せてもらい、別れ、また別の行商人の馬車に乗せてもらいを繰り返しながら、はや1日と半日。 しびれを切らしたしからマキナが口を開く。 『そうですね……大体ですが、ルクスとヘルグワの間の距離を約二往復といった所でしょうか。』 『に、二往復!? そんなにぃぃぃ……。』 それを聞き肩を落としたマキナの背中に淀んだ気が見えるのは気のせいではない。 ロゼは無言のまま、快晴の空をチラッと見上げ辺りを見渡す。 朝方まで雨が降っていたせいか、道はぬかるみ、晴れた日は森入るとジメっとする。 そんな事すら気にも止めず、ジュラとマキナはヘルグワで買った饅頭を一つ口に運び、瓶に入った茶色い飲み物を飲み干す。 『ロゼさん、お饅頭食べてないんですか?』 『あぁ。俺は後からゆっくり食べるタイプなんだよね……食いたきゃ食えばいいだろ。俺が買ったわけじゃない。』 マキナの目は、ロゼの隣に置いてある3つの饅頭に釘付けなのがハッキリとわかった。
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