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真夜中。
一日泊まる為にガルムの家に呼ばれたロゼは、ランプの燈った薄暗い部屋で椅子に座り目を閉じていた。
外から聞こえる虫の奏でる音色だけが、静まり返った部屋に響き渡り、それは眠気を誘う空間へと変えていく。
だがその空間は一瞬に現実へと返る。
『……隠れてても無駄ですよガルムさん。』
そうロゼが切り出すと、物陰からガルムが姿を現す。
『何故判ったんだ?』
『昔から「敏感」なんですよ。人の気配を感じる事が……それに「殺気」が混ざっているなら尚更ですよ。』
ロゼが立ち上がり目を向けると、そこには刃物を持つガルムがいた。
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