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『見た事なんて、ある訳無いだろ。
エフラ・ソロードなんて伝説上の存在なんだ。
現に魔物によって滅んでしまった村はこの近くにいくつも在る。
だがな、贄を出してからこの村の周りには魔物の姿はなくなったのは確かなんだ!!』
一人の村人が叫ぶと全員が「そうだ、そうだ」と声を揃えた。
その中で、皆がしていた事を知り泣き崩れたマキナを見たロゼは小さく溜め息をつく。
『……本物だって確証も無い仮面の神の代弁者。
それに「付き従う者」が贄と称された女に対して、強姦紛いの事をして襲っていたとしても、それは神の意思だからと目をつぶるのか?
自分の家族、娘、兄妹が同じ目に遇っていても許せるのか?
それが村を守る為だからと指をくわえ黙るのか?
そんな奴等に騙され、贄なんて言葉で見知らぬ男共に襲われた女達はさぞ悔しいだろうね。
その「痛みを知ってるくせに何もしない」なんて……。
考えただけで虫唾が走る。』
昼間の時との気配や目付きが全く違うロゼに、全員が動けずに居た。
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