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ロゼが手を叩いた音と、その声に全員が顔を上げる。
『決めたって一体……。』
『ん? あぁ、一宿一飯の恩義ってやつかな。
って言っても、あくまで俺は部外者だから余計な事をするなって言うなら何もしないけどさ。』
『何か……何か策でもあるのか?
どんな事でもいい……。
皆が、村の皆が助かるのなら。』
ガルムは唇を噛み締め何度も繰り返す。
そんなガルムにロゼは一言だけ言った。
『正直、既に贄として奴等に渡った女達の安否は、情報が無いから確実に無事だとは言えないよ。
けど、一つだけ100%って言える事がある。
それは……。
「もう贄を出す必要は無くなる」
って事さ。』
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